花吹雪で桜が散れば、新緑の季節。
花粉症で苦しむ人には気の毒ですが、次第に暖かく、また暑くなっていくこの時期は、昔から最も好きな季節です。
「春先は不正が多い」と聞きます。
特に統計学的な有意差があるかどうかは定かではありませんが、確かに平成25年3月下旬から4月中旬までの間、以下の不正が立て続けに公表されています。
長野地盤の中堅建設業。平成24年3月期において工事原価の処理に関し、名古屋支店で一部不適切な会計処理が行われていた可能性があることが判明(調査・確認作業が現在も継続中)。
システムインテグレーション事業等を手がける大手。連結子会社の元従業員が、見積書・工事完了届出書等の証憑を偽造して架空工事を捏造し、架空売上及び回収偽装を行ってきたことが判明。売掛金の回収等に約1,066百万円の影響が及ぶ可能性(不正行為の内容の詳細、時期及び影響金額を含め、真相解明のため、鋭意調査中)。→その後、調査報告書が公表されました。詳しくはこちら。
名古屋地盤の中堅スーパー。生花の販売を行う連結子会社における経理担当者の業務上横領。被害総額は現時点で46百万円(現在調査中であり、今後の業績への影響・対応は今後開示する予定)。
これは「春先は不正が多い」というよりも「春先は不正の『発覚』が多い」のでしょう。
年度の終わりと年度のはじめ。
担当者の異動が多いこの時期は、前任者の不正が後任者によって指摘されるケースが多いのかも知れません。
中小規模の会社では人員不足により現実的ではないようですが、担当者の変更や強制的な長期休暇は、不正発覚に有効な手段とされます。
こんな話を聞いたことがあります。
上司「おめでとう。君もめでたく課長昇進だ。」
部下「いえ、滅相もない。私は今の職で結構です。」
上司「何を言うんだ。給料も地位をも上がるんだぞ。君が頑張った成果だ。」
部下「いや。本当に昇進したくないんです・・・」
上司「君は会社に貢献する義務があるんだ。是非とも期待に応えてくれ。」
部下「・・・」
長年にわたり不正を行ってきた部下は、この昇進を機に姿をくらましました。昇進によって自分の不正が発覚することをおそれたのです。
この不正実行者を昇進させた人事評価は、正しかったのでしょうか?誤っていたのでしょうか?
どうもハッキリしません。Taku