スーパーの売上金の着服 2012年1月

 スーパーマーケットの株式会社タイヨーで起きた不正は、庶務担当の女性が帳簿を改竄し、売上金から現金を着服し、生活費、遊興費等に充てていた事例です。

 200611月から20118月までの間の不正総額は70百万円で、うち1百万円が弁済される予定であるため、会社の被害額は69百万円となる見込みです。

 

同社では、レジに入った現金が店舗ごとの売上金として集計され、警備会社による集金システムを介して、本部に集金される仕組みになっていたようですが、この不正実行者は、帳簿上売上金を銀行に預け入れたように記載しておきながら、実際にはその日に入金せず、最大14日間遅らせて入金していたようです。

店舗の売上金の入金状況についてチェックする仕組みもなかったわけではないのですが、入金の遅延発生の確認とその対応について十分にコントロールされていなかったことが不正を見逃した原因とされています。

現金を目の当たりにした場合、その現金管理担当者に「魔が差す」ことが十分に考えられます。

スーパーや飲食店等の現金取扱い業種は、特に現金に関する内部統制を慎重に構築する必要があります。

「いやいや、そんなことしたらすぐバレてしまう。」と不正実行を断念させるような仕組みを工夫しなければならないのです。

 

「当社元従業員による不正行為に関する調査結果、再発防止策及び関係者の処分について