三菱電機が、防衛庁、内閣衛星情報センター、独立行政法人宇宙航空研究開発機構に対して経費の水増し請求していたことが明らかになりました。実際にかかった工数を水増しして、費用を実際よりも多く計上する手口です。これにより、三菱電機は防衛庁等から、本来もらう必要のないお金を騙し取っていたことになります。
この不正は、内閣衛星情報センター等から、三菱電機の鎌倉製作所における原価集計などに関する問い合わせから発覚したそうです。
三菱電機は、三機関から指名停止、競争参加資格停止処分を受けました。
一般に公の機関は「予算消化型組織」とされ、一度決まった予算をきっちりと消化することを優先するあまり、「無駄をなくす」、「余計な支出を削減する」、といった意識が低いとの指摘もあります。
しかし今回の不正発覚は、公の機関における無駄をなくす努力の結果として評価されると思います。
騙したほうが悪いに決まっていますが、騙された方に問題があることも考えられるのです。
この事件で注目すべきは、公の機関側が騙されないように相手を監視する姿勢を保持していたことです。
その結果、水増し請求が発覚し、税金の無駄遣いが防止されました。それにしても三菱電機は、防衛庁等をどれだけだまし続けたのでしょうか?
その期間、その金額が気になります。
さらには、被害者は防衛庁だけだったのか?
水増し請求をしていた会社は、三菱電機だけなのか?
「あの」三菱電機が水増し請求していた以上、他の多くの会社もまた、水増し請求をしていたのではないか?
他の公の機関は水増し請求されて、気が付くことができるのか?
今回の事件が氷山の一角なのかどうか?
いずれにしても、今回の事件での被害者である防衛庁側は、水増し請求されて支払った額の返金を三菱電機に求めるようです。今後の調査が注目されます。taku